えっ、と思って振り返っると、雨に濡れるのも構わず車の窓から顔を出している男性の姿が。
雨の中、濡れて走る私を気にかけてくれたようだった。
それにしても、わざわざ車を停めて、窓を開けて声をかけてくれるなんて。
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久しぶりのまとまった雨。
最寄り駅を出たら思っていたよりも強く降っていて、傘を持っていなかった私は一瞬、しまったと思っていた。
近くにコンビニは無いし、お気に入りの革鞄が濡れるのが気になって。
鞄を胸に抱いてジャケットで覆いながら、しかたない、と腹をくくって走り出す。
パンプスで水たまりを撥ねて走る。
会社に着いたらこの靴もちゃんと拭ってやらないと。
ビルとビルに挟まれた小路に入ったとき、しっかりとした通る声で、誰かに呼び止められた。
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冒頭の言葉をかけてくれたのが嬉しくて、でも突然のことに驚いて。なんとか返事をする。
「ありがとうございます、大丈夫です」
その言葉を聞いて、そう?と苦笑いし車を走り出させた男性を見送りながら、その好意を無下にしてしまったことに少し後悔した。
再び駆け出して、数メートル先のビルに入る。もうそこはいつもの職場だ。
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良い人っているもんやなーーーー!!(´;ω;`)ありがてぇなぁーーーー!!!
私もああいう人になりたいです。オチなし。
(´・ω・`)誘拐かもしれませぬ☆
返信削除(´・ω・`)イケメンに誘拐されるのもまた一興!
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