勤め先の入っているオフィスビルの非常階段から、マンションの工事現場が見える。
ゴールデンウィーク前から測量をしてボーリング調査をして、…と思っていたら、ここ数日で柱の基礎を10本近くも掘り抜いていた。
作業員さんも警備員さんも、この強い日差しのなか、きびきびと動き、声を掛け合い、機械音が轟くなか、互いの動きに注意を払って、表情と仕草で繊細に意思を伝えあう。
昨日とは違う工程を、今日も変わらぬ人たちが、安全に、正確に、素早く、当たり前にこなしてく。
痺れるくらいに格好いい。
非常階段の踊り場には小さな防火バケツが置いてあって、各階の喫煙所になっている。
一日の業務を終えて煙草に火をつけて街を見下ろしても陽はまだ高くて、一息つくには早いような気にさせる。
きれいに整頓され片付けられた工事現場と、そこから消えた人の気配を確認して、もう今日はやるべきことは無いんだと言い聞かせても、言葉にできない焦燥感からは逃れられない。
ぼんやりと景色を眺めながら、何が問題なのか、何が不安なのかを探ってみる。
やるせない気持ちの原因はわかってる。共に働く仲間のことだ。
だけど自分に何ができるのかがわからない、何がしたいのかがわからない。何をすべきかがわからない。
自分のことだけを考えられたら答えは簡単なのにと思う。
たった自分ひとりを生かすだけの人生は、私にとってはとても難しい、と毎度のことながら思い知る。
こうすればいい、ああ言えばいい、なんて「普通の答え」ならもう知ってる。
「普通の答え」に自分が納得できないなら、それは正解じゃないんだ。
考えあぐねて目の前の工事現場に目を落としながら、昼間見た仕事人の姿を思いだしては己の情けなさに苛まれるのでした。
ブヒィ。
なるほど、そういうことでしたか。
返信削除その人の心境に思いを馳せるだけで充分で、解を出す必要は無いと思いますよ。と言うより解は無いのかも。
Masamiさんの他人思いの優しい心はとても素敵と思いました。
ま、それよりまずは婚活に注力すべしかな(笑)
思いすぎもどうかって感じですね(笑)なるようになるでしょう、きっと…(´・ω・`)
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